泣き入りひきつけのギモン―見守るだけでなく予防はできないの?
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以前のコラムで書きましたが、泣き入りひきつけは「泣いたり痛かったりしたのをきっかけに、失神を起こしたような状態」ということができます。短時間で自然に回復して後遺症も基本的にはないので、心配せず見守ってよいわけです(参考文献:①,②,③)。
とはいえ、いくら短時間で回復するとしても、急に意識を失うようなことは繰り返してほしくないと
だれもが思うでしょう。ならば、どうするとよいのでしょうか?
■だれに相談する?
泣き入りひきつけ、憤怒けいれんという名前が示すとおり、症状の見た目からてんかん発作を疑われて、脳神経の専門病院や専門外来に紹介されることが多いようです(参考文献:④)。
脳のMRIや脳波を調べますが泣き入りひきつけなので異常はみつからず、それで終了になります。たまに関係ない脳波異常がみつかって、困った小児科医から神経の専門外来へ紹介されてきますが、「泣き入りひきつけを説明する脳神経の異常はない」という説明は変わりません。
一方、特に蒼白型では、泣き入りひきつけよりも危ない不整脈などによる失神を見逃さないことが大切です。いちどはこどもの循環器の専門医に診ていただくほうがよいと思います。
そして、「泣き入りひきつけですね」と判断されると、基本的には専門病院からかかりつけ医へ
日頃の対処は任されます。
■鉄が予防のカギ?
泣き入りひきつけの子では血液中のフェリチンの値が低い、つまり体内の鉄の貯えが少ないことがあります。そのような子に鉄剤を投与すると、チアノーゼ型でも蒼白型でも泣き入りひきつけが減ることが分かっています(参考文献:⑤)。
鉄不足と泣き入りひきつけの関係として、鉄不足があると血液が酸素を運ぶ能力が減る、鉄が脳の神経伝達物質(ドーパミンなど)を作るのに必要である、など説明されています。
ただし、市販のサプリメントより多い量の投与が必要になるので、
自己判断せず小児科へ相談いただくとよいでしょう。
■西洋医学で様子見ならば、東洋医学は?
小児科の教科書でも、泣き入りひきつけは基本的に「危険な症状ではないので、安心させて様子を見る」とされています。激しく泣かないようにと、鎮静作用のある薬を使うこともあるようです。
ただ、これでは日頃の心配は尽きませんし、鎮静薬を小さな子どもに使うのも気が引けます。
何かできないものでしょうか?
泣き入りひきつけはその名のとおり、激しく泣くのが印象的です。その様子はいわゆる疳(かん)の虫(急に激しく泣く、わけもなく泣くなど)とも重なります。
そういうわけで、泣き入りひきつけに対して東洋医学的には、疳の虫の症状をターゲットにした抑肝散、甘麦大棗湯などの処方を使うことがあります(参考文献:⑥)。有効性を調べた研究にまでは探し当りませんでしたが、飲めれば副作用は経験的にも少ないですし、考えてもよいかもしれません。
ちなみに、「泣き入りひきつけは脳神経の発作ではない」ことを意識して、誤解による不安が減るように、
個人的には「息止め発作」と呼ぶようにしています。
「息止め発作」に対するみなさんの正しい理解が進めば何よりです。
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