赤ちゃんの頭のかたちのギモン―頭のゆがみは治せるの?
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前2回、向き癖による赤ちゃんの頭のゆがみ(位置的斜頭)について紹介しました
今回はまとめとして、頭のゆがみに対して何ができるかについて触れたいと思います。
・これは向き癖ですか?
いきなりですが、最初に「赤ちゃんの頭のゆがみが向き癖といってよいか?」を確かめる必要があります。
というのも、向き癖以外の理由が隠れていることがあるからです。
たとえば、首の筋肉が固くなる「筋性斜頸」では、赤ちゃんは左右のどちらかしか向けません。そのために生じる頭のゆがみは向き癖ですが、赤ちゃんは反対方向を向きたくても向けないので、後に述べる家庭での対処では頭のかたちの改善は難しいです。
もうひとつは、本来ならまだ離れているはずの頭の骨が、本来よりも早くくっついてしまった(頭蓋縫合早期癒合症)場合です。

図の右下(posterior plagiocephaly)のように、片方の後頭部(ラムダ縫合、赤矢印)で頭蓋骨がくっつくと、くっついた側の後頭部がへこみ反対側(緑矢印)がふくらみます。
そして、向き癖とは異なり反対側の前頭部(環状縫合、もうひとつの緑矢印)もふくらんできます。
その結果、向き癖では後頭部がへこんでいる側の耳が前にでてきますが、頭蓋縫合早期癒合症では反対側の耳が前にでてきます。
後頭部のへこみに注目すると紛らわしいですが、頭蓋縫合早期癒合症には手術治療が必要なので、向き癖と区別するのは大切です。
ヘルメット矯正治療(後述)で受診したさいにも必ずチェックされますが、治療の希望とは別に頭のゆがみが気になる場合は、医師に相談すると確認してもらえるでしょう。
・頭のゆがみはどう治す?
向き癖によるゆがみと分かったならば、軽度のうちは家庭でできることもあります。
1.向き癖と反対側を向かせる
例えば、授乳のときに親からみて左に頭、右に足がある向きでだっこして飲ませると、赤ちゃんは右向きが促されます。
これを逆向き(親から見て右に頭、左に足)にすると、赤ちゃんに左を向くよう促すことができます。
赤ちゃんが寝ているときに、向き癖の反対側から声をかけるなどもよいでしょう。
2.「タミータイム」を設ける
タミー(tummy)はお腹をあらわす幼児語(日本語なら「ぽんぽん」)です。
赤ちゃんを腹ばいにさせて、頭の圧迫がない時間を確保するものです。
首が座る前の赤ちゃんは、うつぶせで顔を床面にうずめて窒息するおそれがあるので、大人が見ているところでだけ行いましょう。
ちまたにはドーナツ枕など、赤ちゃんの寝る姿勢の改善をもくろんだものがありますが、向き癖に対する効果は明らかではないようです。また、赤ちゃんが予想外の動きをして窒息するおそれもあり、使用中は目を離さないなど注意が必要です。
中等度以上の頭のゆがみがあると、成長後もゆがみを残すと予想されます。
これをできるだけ正常に近づける手段として、ヘルメット矯正治療があります。
すでにさまざまな施設で行っているので、ここでは詳しい方法は触れません。ごく簡単にいうと、生後半年までに始める、ほぼ1日中(目標は1日23時間)つける、半年ほど続けることが多いです。
ヘルメット矯正治療は保険適応がなく、すべて自費診療です。関心があるかたは、始める前に費用もよく確認しておきましょう。
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