こどもの便秘 - うんちは出ているのですが?

これまで、こどもの便秘として「うんちが出にくい」ことのお話をしました。
ところが、うんちが定期的に出ていると思っていても、実はうんちのトラブルで困っていることがあります。
どんなことがあるのでしょうか、具体的に見てみましょう。

1.お腹が痛い

こどもはいろいろな理由でおなかが痛くなります。
吐いていたり、下痢だったりすれば、胃腸炎にかかったと思うでしょう。
何日もうんちが出ていなければ、便秘のせいだと察しがつきます。
しかし、「ご飯を食べるとお腹が痛くなる」と言われると、胃が悪いのでは? などと考えてしまいます。

ひとの体には、「飲食したものが胃に入ると胃が動いて、それをきっかけに大腸も動く」という仕組みがあります。
食後にトイレに行きたくなるのはそのためです。
このとき大腸に便が溜まりすぎていると、その便を押し出そうと大腸が強く動いて「痛み」になります。
なので、痛みは「トイレに行くと治まる」ことが多いです。
それに気づくと、「実は便秘では?」と思いつくでしょう。

2.うんちが漏れる

子供でおしっこが漏れることは時々ありますが、うんちが漏れるのは多くありません。
うんちを漏らせばびっくりしますし、漏らさなくてもパンツを汚すことが続けば不安になるでしょう。

大腸に来たばかりのうんちは水分が多く、大腸を進む間に水分が吸収されて固まります。
うんちが溜まりすぎると、水分の多いうんちはすき間を流れていきます。
同じ量のものがより狭いところを流れるので、水分の多いうんちはより速く流れていき、水分がきちんと吸収されないまま出てきます。

うんちが我慢できれば「下痢しやすい」、我慢できなければ「うんちが漏れる」ことになります。
また、溜まりすぎた固いうんちは肛門まで下りていて、ときどき肛門から顔を出してパンツを汚します。

3.おしっこが漏れる

子供は成長とともに、昼間はおしっこを我慢してトイレに行き、寝ているときもおしっこを溜められるようになります。
いちどできるようになったのに、ある時から急にトイレが近くなる、おしっこを漏らすようになると、重大な病気になったのか? 心配になると思います。

体の構造をみると、下腹部の背中がわに直腸が、そのお腹がわに膀胱があります。
直腸にうんちが溜まりすぎると、大きくなった直腸が膀胱を背中がわから押します。
すると、膀胱に溜められるおしっこの量が減ってしまいます。

(Bharucha AE, Gastroenterology. 2020 Apr;158(5):1232-1249.e3より引用)

昼間ならば、少しのおしっこが溜まるだけでトイレに行きたくなります。
寝ているときは、我慢できたはずの量のおしっこを溜められなくなり、おもらししてしまいます。
このような場合は、見た目の症状はおしっこのことですが、便秘の治療をすることでよくなると期待できます。

便秘は思わぬ症状をおこすことがあり、しかも珍しくはありません。
便秘のせいであれば、治療でよくすることができます。
このような症状でお困りのときは、便秘がないかいちどは疑って医師に相談しましょう。