赤ちゃんの頭のかたちのギモン―頭のかたちはどう変わるの?
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いつの頃からか、ヘルメットをかぶっている赤ちゃんをみかけるようになりました。
これは向き癖で頭の形にゆがみがあるのを直すものです。
では、赤ちゃんの頭の形がゆがんでいると、どのような問題があるのでしょうか。
このことを考える準備として、今回は向き癖による頭の形のゆがみについて触れます。
・赤ちゃんの頭のかたち
赤ちゃんは分娩の時に産道を通れるよう、頭の形が柔軟に変わります。
頭蓋骨が複数のパーツに分かれていて、そのパーツがまだ完全にくっついていないためです。
このときの頭のゆがみは、一見ひどく見えても生後数日で元に戻ります。
一方、生まれた後の赤ちゃんの姿勢によって、あとから頭がゆがむこともあります。
これを位置的頭蓋変形症といい、主に3つに分けて「位置的○○」と呼ばれます(Yang W, 2019)。
・斜頭:左右のどちらかへの向き癖で、一方の後頭部が平たくなる
・短頭:正面を向いて頭の動きが乏しく、前後が短くなる
・長頭:ほぼ早産児に限られ、真横を向いて頭の動きが乏しく、前後が長くなる
以下では、この中で最も多い位置的斜頭について触れます。
・向き癖と頭のゆがみ
仰向けで寝ている小さな赤ちゃんは、左右どちらかを向いていることが多いです。
生後3-4か月までは、自分で頭の向きを変えるのは難しいです。
ただし、向きを反対にすれば、たいていは左右どちら向きでも寝られます。
しかし、赤ちゃんによってはどちらか一方を明らかに好み、反対向きを嫌がります。
すると、向きたがる側の後頭部が床面にずっと押しつけられ、徐々に頭のかたちがゆがんでいきます。
これが向き癖と呼ばれる頭の形のゆがみです。
首が座るころになると、赤ちゃんは自分で首を左右に動かせるようになります。
生後半年ころにお座りをするようになると、日中の頭の圧迫がさらに減って頭の形のゆがみが元に戻っていきます。
・頭のゆがみにつながる要因
向き癖で頭がゆがむリスクとして、第1子であること、多胎、早産などがいわれていますが、最も大きいのは「仰向けで向きを変えず長時間寝ている」ことです(Jung BK, 2020)
昔はそのような頭の形のゆがみができないよう、うつ伏せ寝をさせていたようです。
ところが、1980年代に「赤ちゃんのうつ伏せ寝は乳幼児突然死症候群のリスクである」と指摘されました。
それ以後、うつ伏せ寝を止めるように、と指導するようになりました(Back to Sleep Campaign)。おかげで乳幼児突然死症候群は減ったのですが、かわりに1990年代以降になると、向き癖による頭のゆがみが大きく増えてきました。
・頭のゆがみの強さ
最も簡便なのは、上から見た頭の形によるArgenta分類です。

重症度の分類は正確にはこれとは異なりますが、おおよそType 1からType 5へと重症度が上がっていきます。
Type 1≒軽度 :一側の後頭部がへこむ
Type 2≒中等度:同じ側の耳の穴が前にずれる
Type 3≒重度 :同じ側のおでこが前に出る
Type 4≒超重度:同じ側の頬や顎が前に出る
Type 5≒超重度:反対側の側頭部が突き出る
診療や研究では頭の様々な場所の長さを測って、ゆがみの強さを評価しています(難しいので詳しい説明は省きます)。
スマホのアプリで写真を撮ると、指数を計算してゆがみの強さを計算してくれるものもあります。あくまで参考ですが、大まかな評価には役立つでしょう。
・ゆがみが気になったら?
詳しくは次回にゆずりますが、もし治療を希望する場合は生後半年までにはじめるのがよいと言われています。
また、頭のゆがみは生後3-4か月にかけて進んでいきます。
これをふまえると、赤ちゃんの頭のかたちが気になったら、1か月健診から遅くとも3-4か月健診までには相談するとよいでしょう。
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