こどもの頭のけが―ぶつけた後の様子のみかた

前回、頭をぶつけたあとに病院を受診したほうがよい場合について書きました。
しかし、頭のけがのほとんどはごく軽く、大事には至っていません。
ならば、どのように様子をみるとよいでしょうか?

・様子をみてよい場合
前回のコラムで触れた「受診すべきけが」でないもの、
つまり以下をすべて満たす場合は、あわてて受診せず様子をみてもよいです。
もちろん、なにか心配があれば受診しておくほうが安心です。

強い頭部外傷でない
なんといっても、「強いぶつけかたでなかった」ことの確認は必要です。
*ヘルメットをかぶって乗っていた自転車がゆっくり倒れた
*小さな子どもが投げた(速くない)ものがぶつかった
*階段2-3段から転げ落ちた
といったものは、「強くないぶつけかた」に当たるでしょう。

脳神経症状がない
例えば、以下のような場合が当てはまります。
*ぶつけたあとに意識を失っていない(意識があると分かれば泣かなくてもよい)
*けいれんを疑う様子がみられない
*ふだんよりぼんやりしていない
*頭痛(ぶつけた場所の痛みとは別)や嘔吐・吐き気がない
「いつもと変わらない様子」だと自信を持って言えればよいでしょう。

処置を要する傷がない
皮膚だけのすり傷、ごく浅い切り傷であれば、傷としては様子をみることができます。
ただし、頭は皮膚の下がすぐ骨なので、ぶつけたときに皮下組織まで達する深い傷になり、
傷の処置が必要なことがあります。
深い傷のようならば、形成外科で診てもらうとよいでしょう。

・様子のみかた
3つの時間帯に分けて、ふだんと同じくらい元気か、ぼんやりしていないか、吐いていないかを観察します。
様子が気がかりなことがあれば、いつでも受診の相談をしましょう。

最初の6時間
頭をぶつけて何か症状が現れる場合、たいてい6時間以内に現れます。
それまでは子どもを一人にせず、静かに過ごしながら観察します。
夜中のけがのあとで眠ってしまうときは、刺激に反応があるか確認しましょう。
また、ぶつけたあと6時間以内は入浴しないでおきましょう。

6時間をこえて24時間後まで
ひきつづき、静かに過ごしながら観察をつづけます。
運動は避け、できれば一緒に寝て、時々は様子を見ましょう。
手短にシャワーを浴びるくらいの入浴はしてもよいです。

24時間をこえて48時間後まで
入浴も含めていつもどおりに過ごして、観察をつづけます。
48時間経っても変わりがなければ、観察はおしまいです。

ちなみに、頭をぶつけたときにほかの病気が偶然重なることもあります。
特に、胃腸炎にかかって吐き始めると、脳神経の症状との区別が難しくなります。
判断に迷うときは、無理に判断しないで受診して問題ありません。