こどもの便秘 - 便秘ってどんなか知ってる?

子どもも大人も便秘で困ることはよくあります。
便秘はふとしたきっかけで始まり、お腹の不調にもつながって不快です。
一方で、医師の目線からは明らかな便秘なのに、子どもも親もそう思っていないことが決して少なくありません。
こどもの便秘がどんなものか、ご存知でしょうか?

・便秘ってなんだと思う?
便秘ということばの意味をみてみると、

「健康時に比べて排便の回数・量が著しく減り、便が滞る状態(以下略)」
( https://kotobank.jp/word/%E4%BE%BF%E7%A7%98-131398 アクセス日2026/8/4)

「排便の回数や量が減ること 」
(https://imidas.jp/kojiten/detail/W-29-0-565-06.html  アクセス日2026/8/4)

”a condition in which stool becomes hard, dry, and difficult to pass,
and bowel movements don’t happen very often.”
(https://ejje.weblio.jp/content/%E4%BE%BF%E7%A7%98  アクセス日2026/8/4)
などと書かれています。

このような状態ならば、便秘だと自信を持って言えます。
しかし、あとで触れますが、「トイレが怖くてうんちが出そうなのを我慢し、パンツにポロポロうんちが漏れている」のは、この辞書的な意味とはややかみ合いません。

また、「排便の回数が減る」というのも、とても主観的です。
例えば、あとで触れる診断基準には、どれくらい回数が減っていれば便秘を疑うのか書いてあります。
これを見れば、実はわたしも便秘なのでは? と見直すことができます。
しかし、客観的な基準がないと、「4-5日うんちしないけど、いつものことです」と、
便秘があるのにスルーしてしまいます。

・こうなったら便秘!
世界中で同じ客観的な基準を使って診断できれば、どこに暮らしていても便秘のひとは適切な治療につながることができます。
そんな「便秘のグローバル診断基準(Rome IV)」がこちらです(1,2,3)。
うんちのトイレットトレーニングが4歳前にだいたい完了することもあり、4歳で基準が分かれています。
(注)2026年6月、診断基準の最新版(Rome V)が発表されました。
 年齢による区別がなくなりますが、他の項目には大きな変更はないようです。
 まだ日本語の表現が定まっておらず、長く使われてきた旧版で紹介しています。

4歳までの乳幼児において,1カ月間で以下の2項目以上を満たす
  (1)排便が週2回以下
  (2)過剰な便貯留の既往
  (3)痛みを伴う,あるいは硬い便通の既往
  (4)大きな便の既往
  (5)直腸に大きな便塊の存在
トイレットトレーニングの済んだ小児においては,以下の追加の基準を用いてもよい:
  (4)トイレが詰まるくらい大きな便の既往
  (6)トイレでの排便スキルを獲得後に,少なくとも週1回の便失禁
(文献3を参考に筆者作成)

4歳以上:少なくとも最近1カ月間にわたり週1回以上,以下の2項目以上があり,
過敏性腸症候群の基準を満たさないこと
  (1)発達年齢が少なくとも4歳以上の小児で,トイレでの排便が週2回以下
  (2)便をがまんする姿勢または過度の自発的便貯留の既往
  (3)痛みを伴う,あるいは硬い便通の既往
  (4)トイレが詰まるくらい大きな便の既往
  (5)直腸に大きな便塊の存在
  (6)少なくとも週1回の便失禁
(文献3を参考に筆者作成)

これをふまえると、「いい排便習慣」は年齢によらず次のようにいえるでしょう。
  ☑週3回以上、だいたい1日おきにはうんちが出る
  ☑うんちが出そうなときに我慢しない
  ☑硬すぎない、塊ではない「いいうんち(※)」がでる
  ☑うんちをしても痛くない
トイレでうんちができるお子さんでは、もうひとつ加わります。
  ☑トイレでうんちをする頻度によらず、うんちが漏れない

(※)うんちの硬さは「ブリストルスケール」という尺度で表します。
 当院の診察室のデスクにもありますね。
 4番の普通便が「いいうんち」です。

(https://www.kango-roo.com/ki/image_1747/ より引用:アクセス日2026/8/5)

お子さんもご自身も、いちどうんちの習慣を見直してみてはいかがでしょうか。
もし「実は便秘で困っていたのかも」と思ったら、お気軽にご相談ください。